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カステラを製造する文明堂製菓では、工場の全面的な改修を行った所、生産効率が上がった。販売店の店長や従業員が工場を見学し、製品に対する自信につながり、やる気アップになったし、得意先バイヤーの信用にもつながった。

2-2.HACCPに関する10大誤解

2-2-1.対応施設設備に変えなければならない、古い工場だから出来ない、という誤解

HACCPを行なうのに、基本的に施設設備はそれまでのままで良い。HACCPは安全にするためのシステム、方法だから、ソフトウエア、運営で行なうのである。

床が傷んでいて汚れがたまりやすくなって来たら、清掃を強化する。傷、はがれたところのすき間、壁との間などの汚れをブラシを使ってしっかり取る方法にすればよい。蛍光灯がむき出しで埃が溜るのならば、それまで年に一度の頻度で清掃していたなら、半年に一度とか、毎月の頻度にすればよい。蛍光灯で良く言われるのは、飛破散防止タイプに替えることなのだが、新品に近い蛍光灯ならば直ぐに変える必要は無く、古くなって取りかえるときにすればよい。

古い工場だと、ゾーニングや動線がうまくいっていないことが多い。これを直すために、隔壁を必ず作らなければならないということはない。パーティションで区切り、ラインを引く、といった「方法」でやっても良い。動線も、「作業テーブルや製造機械の配置替え」、「移動」といった方法で対応すればよい。方法だけでは100%うまくいかないことも多いが、作業分担や、「こちらから入ってはいけない」などのルールで対応すればよい。

ハード的に改修をする必要があるのは、壁が壊れていたり出入り口にすき間があって虫が入ってくるとか、調理機械の調子が悪くて加熱不足になる可能性が高いなど、危害に結びつくところである。ただ、衛生管理体制を強化するのをきっかけに、工場を大改築又は新築するなどという場合には、HACCPと一般的衛生管理が楽にできるように、壊れず、汚れにくく、清掃しやすいタイプにしたり、動線とゾーニングからスタートした工場設計にしたほうが良いことはもちろんである。

2-2-2.「取得」しなければHACCP実施を広報出来ない、という誤解

HACCPは自主的に行なえばよい。承認や認証が無くても「うちの工場ではHACCPを実施している」ことをアピールできる。HACCPを行なっているかどうかは少し勉強している人なら直ぐにわかる。

ある野菜加工工場では「うちの工場ではHACCPをやろうと始めたのだが、未だそこまで行かない」といっていたのだが、工場を見たら、マニュアルはしっかりとしているし、チェックリストも付けている、洗浄水の温度や調理温度などもコントロールしているので「これなら十分にHACCPを行なっていると発表してもいいですよ」と言った。HACCPの構築は終了なんて無く、常に工夫、アイデアで進化していくものなのである。「HACCP構築中」「HACCP実施中」が正しく「HACCP構築終了」は無いのだ。

HACCP対応の施設として建設されたある給食工場を、専門家が見たところ、チェックリストはないし、従業員に「CCPはどこですか?」と聞いても質問の意味もわかっていない。動線とゾー ニングの認識も現場にはないので「HACCPなどやっていないじゃないですか」と言って帰った。工場はその後調べて、HACCPというのは建物を建てただけではダメなのだとわかった。「HACCPはモノではなく方法」なので