1)動線とゾーニングがなぜ必要か
- 27 -

清潔ゾーンで、調理と粗熱を冷ます作業室が清潔ゾーンで、パッケージ室に入ってから、インナーパックに入れるまでが清潔ゾーン、その後段ボールに入れる作業場所が準清潔ゾーンになることがわかった。

ここで問題になったのが、清潔ゾーンのインナーパックと準清潔の段ボール入れ作業が同じ部屋になってしまう。段ボールを組み立てる場所もこの作業室で行うしか無い。従事者の入り口も1ヶ所しかない。

そこで、ビニールカーテンを活用することにした。金属探知器までの清潔部分を「ビニールカーテン」で仕切るこよで隔離される。金属探知器を通ったらもう安全なので、ビニールカーテンを越えて準清潔に入り、段ボールに入れる。段ボール組立もこの作業場所で行うことになるが、製品は清潔ゾーン内で真空パックされているので、安全には問題ない。この境目の部分の外側に従事者の出入り口があるが、ここを準清潔と清潔の境目に合わせた。

従事者が入ると、ドアの中は半円状になったビニールカーテンになっていて、清潔に入る人は左、準清潔に入る人は右に入る。左右に別れた従事者は、作業中行き来することはない。また、包材倉庫から段ボールを組み立てる場所に新たに扉を作ることで、交差は更に少なくなる。

c)パーティション

ある食肉のパック工場では、大型の作業室の一方から整形をしたブロック原材料を入れ、スライス及び切り身、計量とトレイ盛りつけ、そしてオートパッカー、という一方方向直線の流れになっている。全てを清潔ゾーンレベルで行うためにこの間の仕切りは無い。作業は最初の作業から終了し、午後に入ると計量盛りつけ工程より前の作業は終わっていて、洗浄を始めている。

ところが後工程の作業はまだ終わっていないので、洗浄剤などの清掃作業との交差が起こる可能性がある。そこで、ステンレス製のキャスター付きパーティションをいくつか作って、作業中の場所と洗浄に入った場所の間に置くようにした。これで清掃での交差汚染はなくなるし、全体の作業効率も良い。

d)チェーン

ある魚介類パックセンターでは、刺し身などの生食と、加熱調理用の切り身をパックしている。刺し身類は仕切られた作業室で行っていて、清潔ゾーンになる。ところがブロックを半解凍してから刺し身用のサクを切り出す場所が無く、刺し身作業室の前で行っていた。しかし、ここは加熱調理用切り身の原材料が続々と通っていくところで、交叉汚染の問題があった。隔壁かビニールカーテンで仕切りたいのだが、建物の構造上出来ない。

加熱料理用原材料の担当者がここに近づかないようにすれば安全になる。そんなことを考えながら車を運転していたら、道路工事で止められた。そこで気が付いた。早速業務用の道具資材を売っている店に行き、道路工事の安全管理に使われているプラスチックのポールとチェーンを買ってきた、9800円。これを刺し身用のサクをカットしている周りに置いたら、強力なゾーニングになった。

e)ライン

ある醤油メーカーでは、ボトリングした後キャップをする作業室の後、箱詰めされて倉庫に行く。

ボトリング室は清潔ゾーンで、ここを出るときはビニールカーテンがついた小さいゲートをくぐっていくので、清潔ゾーンは安全だ。しかし、ゲートを出たところがそのまま倉庫エリアになってい

- 27 -