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[1]工場の隅に、ラベル、フィルム、伝票等が置いてあり、それを取りに各作業室から狭い通路を通るので、しょっちゅう従事者同士がすれ違う。すれ違い時に風も起こる。この小さなショックで帽子の中の毛髪が落下しているのではないかと考えた。

そこで、このラベルなどの置き場を、廊下の中央に移してみた。これで困るのは事務所の人がいったん着替えてここまでラベルなどを運ばなければならなくなっただけ。

この移動のあと、驚いたことに、毛髪混入クレームが突然来なくなった。翌月も、その翌々月も。あと2週間ほどで1年になろうとするとき1件出てしまったが、それまで毎月数件あったのが、こんなすごい結果になってしまったのだ。

12)取っ手を触らないように改善する

ATP検査をしてみると、多くの人が触る取っ手部分の汚染がひどいところが多い。

実際トイレのドアノブや作業室への入場ドアのノブなどでノロウイルスや黄色ブドウ球菌が発見されている例はいくらでもある。

この対策として、これらを無くすことだ。

水道の栓は、肘開け型に簡単に換えることが出来る。

ドアのノブは、押し開ける側のノブを取ってしまえば、体か肘で押し開ければ、手で触らなくてすむ。

[2]トイレのドアノブは要注意だ。手をよく洗わないと、トイレから出るドアノブを汚染する。その手で作業室に再入場するとき、ノブに触る、粘着ローラーの取っ手に触る、水道栓に触る、エアシャワーのドアノブに触る。一人が手洗いをちゃんとしないだけで、これらを通して汚染が広がるのだ。だから取っ手やノブは無いほうが良い。スイングドアなら手で触らなくても開閉が出来る。

スイッチ類も汚染される。冷蔵庫の下げひもスイッチ、オーブンなどの調理機器のスイッチ、照明スイッチなどだ。これらを無くすことは出来ないから、食材に触る前にこういった要注意場所を触っていたら、必ず手洗いをすることを徹底する。ついうっかり忘れることもありそうなので、常に食材に触る前には危険なところを触っていないかを考えることだ。

3-1-4.食品と資材を衛生的に取り扱う

1)原材料の検収と保管

a)輸送時の温度チェック

輸送時の温度計は、食品の箱の中に入れ、コンテナを閉めて封印をしてから、船積みされ、相手の国に着き、通関をしてから、ユーザーの倉庫に入るまでの温度を監視するものだ。これがあるこ