3-1-5.化学薬品(洗浄剤、漂白剤、オイル、錆止め)の保管
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た。作業室に入ってきた虫を退治するためだろうが、虫を追いかけながら使ったら、殺虫剤が食品に混入することになってしまう。このようなものを作業室に入れるのは間違っている。

ある菓子工場では、ハエたたきがぶら下がっていた。これでたたきまわったら、ハエそのものかハエの羽根などの破片が食品に混入する危険がある。作業室内の虫を何とかするには、侵入防止策やサニテーションの基本的対策と、入ってしまう虫捕獲には粘着テープ式の捕虫器を備える必要がある。

食品を製造するために必要ではあるが、扱いを間違えると逆に危害になってしまうものは、機器メンテナンス部品、道具、機械用潤滑油、洗剤類、消毒剤、殺虫殺鼠剤、食品添加物(危害の可能性のあるもの)等がある。

食品添加物以外は食品に直接入ってはならないもので、これらを分かりやすく「危険物」といったような名前で総称して、扱いを慎重にする必要がある。

危険物の扱いの基本はシンプルで、「一ヶ所にまとめて置く」ことである。まとめて置くことで、危険が拡散しない。ある魚加工工場では、階段下の斜めになった小さな部屋に置いていた。

そこから小さなボトルなどに移して各作業室に持っていくことになるが、このときにメモをすることで、使用の記録が出来ることになる。在庫も一目でわかる。

いくつかの洗剤や殺菌剤を併用しているところも多い、対象によって使用剤を変えることでコストと性能のバランスをとるためだ。こういった場合ボトルに入れるものを間違えたりしないように、ボトルのキャップに工夫をしているものがある。キャップの形を変えることで、間違えてセットしないようになっている。

3-1-5.化学薬品(洗浄剤、漂白剤、オイル、錆止め)の保管

  1. オリジナルの容器か判り易い容器。
  2. 機械に使用するオイルは食品添加物として認められているものを使用する。
  3. 食品との交差を避ける。
  4. 化学薬品は、食品用の容器に入れて保管しない。
  5. 食品取り扱い場所、保管場所に薬品を保管しない。
  6. 食品に薬品が付着したり、混入しないようにする。薬品で汚染してしまったと思われる食品は廃棄する。
  7. 薬品がこぼれたときは早急に拭き取る。
  8. 薬品を取り扱った後に食品取り扱い業務に復帰する時は手を洗う。必要であれば白衣も交換する。
  9. ラベル表示、使用マニュアルに従って使用する。

3-1-6.ユーティリティ(水,動力源,空調)の安全・安定供給

1)安全な水の供給

2)一般的に水は、水道水、地下水のどちらかあるいは両方を併用している。

水道水は水道管からそのまま使っているのなら良いが、受水槽にあげてから工場内に配管している場合、受水漕と供給している水道管に汚染がないか定期的に検査をする。

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