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を持たせて動かせるようにし、毎日簡単に動かして清掃洗浄ができるようにする。洗浄後、元に戻さないで、そのままにして帰る。こうすると翌朝までに乾燥できるので、カビや細菌増殖になりにくい。朝作業を始めるときに戻せば良い。

ある生鮮のパッケージ工場に行ったら、壁際に古くなった大型のまな板が立てかけてあった。この工場は小蠅のような小さな虫の混入が以前から時々クレームとしてあがって来ていて困っていることを聞いていた。そこでこのまな板を手前に引いてみたら、壁との間から小蠅が数匹わーんと工場内に元気に舞い広がっていった。

内部発生の虫の元は、スイッチボックスの中、電源ケーブルパイプの中、食品機械のモーターボックス、コンプレッサー室などの機械室の中、シャッターの収納部などもある。

3-1-8.頻度を決めて確実に清掃洗浄メンテナンスを実施し効果を検証

1)清掃洗浄の頻度を決める

[1]作業場所がすっきりしても、そのまま放っておくと、しばらくしたら元に戻るかもしれない。そこで、清掃洗浄の頻度を決めて実施を始める。

頻度は4つに分ける。

毎日:製造機器道具、床、腰位置から下の壁、工場内ゴミ置き場など

毎週:入出荷口、天井下の壁、大型機械の天井部分、冷蔵庫、通路、工場外ゴミ置き場など

毎月:駐車場、原料倉庫、製品倉庫など

毎年:冷凍庫、天井、照明など

このうち、毎日の作業は、ある程度の期間で体が覚え、チェックリストの必要があるのかと考えるようになる。衛生管理の担保のために必要、という考え方で記録を続ける、というのでもよい。

そうでは無く、ふき取り検査などの検証で、確実にきれいになっているかを確認する方法をとっている所も徐々に増えている。つまり、毎日の頻度については記録を取らず、清掃した担当者以外の人、隣の作業場同士とか、事務所の人、更衣室などの清掃担当を委託しているパートなどに確認してもらうのだ。

[2]確認の方法は、目視、ふき取り検査といった方法で、頻度は、初期の頃は毎日やり、検証の結果が良い状態で安定してきたら、たとえば毎週曜日を決めずに1回、といったようにする。

毎週、毎月、毎年の頻度は、必ず「チェックリスト」で管理する。これらは毎日のルーティンワークでは無いので、忘れたり漏れたりするからだ。

チェックで「×」となったものについては再作業にし、結果も記入することだ。再作業は実施を始めて初期に多いだろうが、次第に減ってくる。減ってきたら今度はチェック者を変えると別の目で見るので、新たな問題ヶ所が出て来ることが多い。