3-1-10.防虫防鼠(侵入と内部発生を防ぐ)
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3-1-10.防虫防鼠(侵入と内部発生を防ぐ)

1)薬剤、化学物質を使わない防虫

ポジティブリスト制度によって、化学物質の使用がかなり制限されたことにより、食品の安全性は高まった。反面、食品メーカーや生産者は、農薬を始めとした薬品の使用を慎重にしなければならなくなった。自分の所だけにとどまらず、生産者は隣で使用している農薬の影響を受けるという「ドリフト」の問題もある。

最近の分析技術はごく微量でも検知出来るようになっているので、食品工場も生産者も、化学物質を使わない防虫システムが急務になってきた。

2)入出荷口でのシステム

小規模の工場ではシャッターの内側にビニールカーテンをかけることで二重にして虫の侵入を食い止める方法がある。

中規模になったら、ドックシェルターは高価だが、虫の侵入を防ぐ最初の関所として有効だ。ドックシェルターまで設置出来なくても、もう少し低価格で出来るシャッターや、ビニールカーテンとの連動、インターロックシステム、エアカーテンといったシステムを使い、入出荷口からの進入を出来るだけ防ぐようにする。

エアカーテンも、従来からの上から下に吹きつけるタイプとは別に、ゲートの左右の柱から、お互いに空気を交差させるタイプもある。これだと埃を舞いあげることなくガードすることが出来る。シャッターやドアの下の隙間をブラシで塞ぐ方法もある。

3)気圧差

そのゾーニングのレベルに合わせて可能ならば気圧を調整することで、外部からの虫の進入をかなり防ぐことが出来る。

真ん中の清潔ゾーンの所に、フィルターを通したきれいな空気を最大気圧で入れ、その両側になる準清潔ゾーンはそれよりも低い気圧、外との接点になる一般ゾーンは最低気圧にする。

この一般ゾーンの気圧は工

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