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は深刻で、どこも対策に苦慮している。毛髪は只単に不快なだけでは無く、フケには黄色ブドウ球菌があり、これが非加熱の食品に落下してしまえば、時間が経つと増殖し、食中毒の危険も出て来る。

毛髪混入対策で威力を発揮するのは粘着ローラーだが、さらに突っ込んだ対策をとる必要がある。それは個人の衛生管理から工場までの通勤といった統合的な対策をとることだ。

2)家から工場までのルール

まず個人生活からで、毎日風呂に入ってシャンプーする。毛髪をきれいにすると同時に、フケを無くす。夏場などは出来れば朝にシャンプーする。

ボタンのある下着や毛玉の落ちるセーターを着ないで、出勤する。

工場に入ったら、冬場なら入り口にコートをかけ、更衣室に入る前にブラッシングする。

このことで、更衣室内で毛髪が落下して作業衣に付着することを防ぐ。

3)私服と作業衣の交差を防ぐ

[1]更衣室内での着替えでの注意点は、私服と作業衣の交差を防ぐことだ。

ロッカーの中で私服と作業衣が無造作に置いてあったり汚かったりすると、私服に付いていたゴミ、埃、毛髪が作業衣に付着し、それが作業室内に入ってしまう。

この対策として、ロッカーが一つなら、上に作業衣をつるし、下に私服をたたんで入れておく。作業者はまず私服を脱ぎ、ロッカーの下に全部入れてから、上にかかっている作業衣に着替えるようにする。私服が下にあるから、作業衣は汚れない。ロッカーが上下の二つを使うことが出来ればさらに確実だ。

さらに確実な方法は、作業衣をロッカーと離れた場所に置く方法だ。

[2]従事者は更衣室に入ったら自分のロッカーに行き、私服を脱いでアンダーシャツ状態になる。ロッカーの扉を閉めてから、離れた場所、出来るだけ更衣室の出口に近い場所にある作業衣と帽子の所に行き、装着して更衣室を出て工場内に入る。こうすれば、私服を脱ぐ所と作業衣を着ける所が別れているから、私服と作業衣の交差は起こらない。

作業が終わって帰るときは、使った作業衣を、毎日洗濯するなら洗濯コンテナに入れるか、数日使うなら、作業衣と帽子の場所に置き、アンダーシャツ状態になってから自分のロッカーに行って私服を着て帰る。