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4)作業衣の洗濯は自宅でさせない

[1]ある惣菜製品から毛髪が出て来て、お客様はかなり怒り「原因を説明しろ」とカンカンになってしまった。こういったヒステリックな顧客も最近は増えてきている。

そこで仕方なく毛髪の分析をした。豚毛などの獣毛かもしれないからだ。結果、驚いたことに犬の毛だった。

何で犬の毛か、調査したら分かった。この工場では作業衣の洗濯を従事者の自宅でさせており、その中の従事者の家で室内で犬を飼っていた。その犬の毛と一致した。

家での洗濯は、ペットの毛、家族の毛、ゴミ、糸くずなどが入り、そこで工場の作業衣を洗濯するのはかなりリスクが高い。異物だけでなく、細菌汚染もある。

作業衣の洗濯は、工場内に工業用の洗濯機と乾燥機を設置し、乾燥は85℃の熱風乾燥殺菌をする。あるいは、作業衣のリースやレンタルシステムを導入する。リースシステムは見積もりを取ってみれば、洗濯頻度などの状況によっては購入するよりも洗濯付きなのに安くなることもあるので、一度調べてみることだ。

5)しっかり粘着ローラー

粘着ローラーのテープは、3~4回使って取り換える所が以前は多かったが、毛髪混入クレームがある所は、1回に1枚使い、かけ終わったらはがし、じっと見て、どれだけ埃や毛髪が付着しているかを確認する、という方法に変えている所が多い。これによって認識を新たにすることが出来、それがしっかりローラーをかける行動になる。

粘着ローラーを一人1枚しっかり使っているかを見るのには、HACCP会計でチェックする。簡 単な計算でひと月にどれだけ使っていればいいのか分かる。

6)エアシャワーで仕上げと効果確認も

粘着ローラーのあとエアシャワーを通る所は、エアシャワーを過信しないようにする。エアシャワーと粘着ローラーとでは、粘着ローラーをしっかりかける方が効果がある。

エアシャワーで、粘着ローラーかけがしっかり出来ているかの効果確認をすることが出来る。エアシャワー室内の壁面の一部に粘着ローラーの1枚を両面テープで貼り付け、しばらく使ったあと調べてみると、粘着面に埃がかなり付いており、毛髪まで付いていることも多い。これはつまり、粘着ローラーをしっかりかけていない、ということになる。これも認識になり、粘着ローラーしっかりの活動につながって行く。

7)「手袋をするのに、なぜ手を洗わなければならないのですか?」