オペレーション前提条件プログラム(OPRPの確立)ISO22000の場
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そして、CCPは、酸性水生成装置から正常に酸性水が出来ているかをモニタリングする部分にすることにして、このモニタリングの最も効果的な方法を検討中である。

ある惣菜工場サラダ加工工程では、野菜の洗浄で殺菌出来る特別の水の設備が無いため、水道水で洗浄後、氷水で一気に冷し込み、その後の組み立て、保管、配送、納品までの間を10℃以下で管理している。冷し込み以降の段階は全て温度モニタリングが出来るので、これらをOPRP(次の項目参照)にした。

その後、このOPRPの中で最も重要なポイントを一つ選んで、「食品からの危害の除去にはなら ないが」CCPに引き上げて管理をしようということになり、保管庫から配送に出す前の温度測定をCCPにした。劇的ではないが、他に無いので、CCPにしたわけだ。

ほうれん草などの野菜の和え物を製造している工場で、CCPの検討に入った。

和え物は、野菜をボイル、ブランチングした後、冷却し、他の食材や調味液とミックスする。

野菜の和え物における事故を調べてみると、学校給食で野菜の和え物の食中毒などがあり、原因は、和える、ミックスする際に汚染された例がある。ブランチングでの加熱不足よりも、冷却後の食中毒菌の混入と増殖の問題が深刻だとわかる。

そこで、CCP1を、「ブランチングでの温度」。CCP2に、冷却後のミックス工程で使用する機器道具全ての直前「ATP測定器検査」。CCP3に、「金属探知機」にした。

CCP2は、食品からの危害の除去にはならない。どちらかというとOPRPなのだが、この工程が一番危険だということで、あえてCCPにした。また、この工程でもう一つ重要なのは、従事者の手洗い、手袋と帽子、マスクの着用だが、これは個人衛生で管理することにした。

CCPは、現実的、合理的、効果的、かどうかを検討すべきだ。

オペレーション前提条件プログラム(OPRPの確立)ISO22000の場合

1)0PRPとは

安全管理をするためには、製造する工場内や従事者をきれいにする、いわば製造環境から危害を出来るだけ少なくする一般的衛生管理と、食品そのものから危害を除去するCCPの二通りある。しかし、ISO22000において、その中間に位置する0PRPがあり、これを設定することはISOをするしないにかかわらず、効果的なので、考慮した方が良い。

ハザード(危害、危害要因)を制御するレベルは三段階ある。PP(PRP)(一般的衛生管理)の基 礎レベルのものと、重要なPP(OPRP)。そしてCCPだ。

ISO22000では、PPの基礎レベルを「PRP」、重要なPP(PRP)を「OPRP(オペレーションPRP)」と言っている。

OPRPは、食品が直接接触する面、食品機械のナイフ、内面、容器など、重要な場所を、ふき取 り検査やATP測定器等でモニタリング(オペレーション)して、問題無いかどうかを確認できる 「管理手段」があるものだ。

OPRPは「製造環境からハザードを低減」させる。これに対してCCPは「食品からハザードを除去」する。

OPRPもCCPも、温度、時間、検査測定などの「管理手段」があるものだが、違いは「製造環境からの低減」と「食品から除去」と、大きな違いがある。CCPは「劇的」「とどめ」と言った表 現もできる強固なものだ。

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