1)OPRPとは
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75℃以上なら食中毒菌を殺菌出来るからCCP。ミキサーの内面をATP測定器で検査して数値が500以下なら作業を開始してもよい、という方法ならばOPRPだ。

例えば、食品機械の洗浄消毒で、洗浄消毒作業を行っただけなら一般的衛生管理だが、この機械の食品が直接接触する場所や面があり、その部分は特に重要なので、十分にきれいになり、細菌の規定以下になっているかどうかを、製造作業前に点検することは大事だ。そこで、ふき取り検査や細菌検査を行って確認するようにすれば安心だ。この検査をして確認し、大丈夫だったら製造を開始してよい、という管理方法がOPRPである。

HACCPにおいては、一般的衛生管理PP(PRP)とCCPの2つの概念で行うが、その間に位置するとも言える。これは、衛生管理、安全管理上、非常に良いものだ。

OPRPはATP検査などのふき取り検査で行うことが多いが、これ以外で行っているOPRPにはどんなものがあるだろうか。

CCPとOPRPの違いは何かというと、必要な項目が一つ違うだけだ。

CCPは、ハザード(例えば食中毒菌の生残)、管理手段(例えば、加熱殺菌)、許容限界(例えば75~85℃)、モニタリング手順(例えば、中心温度計でロット毎)、修正.是正処置(例えば、再加熱や廃棄)、責任と権限(担当責任者)、モニタリングの記録(例えば、CCP温度記録表)になる。

これに対してOPRPはこの中の「許容限界」が無い。

OPRPの管理例は、ハザード(盛り付け器具の汚染による細菌汚染)、管理手段(ATP測定)、許容限界は要求されていないが、実質的に例えば500以下、モニタリング手順(作業開始前にATPでの規程の検査手順を行なう)、修正.是正処置(再洗浄殺菌)、モニタリングの記録(ATP検査記録表)といったことになる。

CCPで許容限界を逸脱した場合、規程の処置(再加熱とか廃棄)がされていない場合、監査では「不適合」になる。例えば75~85℃のところが86℃になった場合、1℃だから大丈夫としてそのまま通したら不適合になる。

OPRPでは、許容限界が決められていなくてもかまわない。しかし実質的にはそれでは意味が無 いので、例えばATP500以下とするわけだが、500以上になっていた場合でも(例えば600)、この程度なら大丈夫だと、現場の判断で作業を始めても不適合にはならない。しかし、多くは許容限界を決めるようになる。

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