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関係者がすぐに見られるように

問題があったとき、短時間でその記録を取りだせるように。このためにシュミレーションを常に行う。

作った人、承認した人などを明確にする。

改訂した場合は、どの部分を改訂したか、わかるようにしておく。

関係する総ての業務の記録について、効果的な保存方法を決め、マニュアル化を図る

食品に接触するもの、材料の安全性チェック

食品に接触するもの、あるいは可能性のあるものに危険は無いか

倉庫内の消毒殺虫だけを考えても、飲料だけではなく、包装材、フィルムなどのシートといった、食品に直接あるいは間接的にでも接触するものがあるところ、あるいは洗浄したあと、使用前の食品を入れるバット、コンテナ。

消毒殺虫剤だけではない。食品専用ではない機械油、洗浄剤なども、置き場所、扱い方を間違えると、食品を汚染することになる。

実際、洗剤などの化学物質が食品飲料に入ってしまった事故は多い。

[1]ある工場で、食品が直接接触するもののひとつに蒸気があった。蒸気で食品を加熱殺菌調理をするからだ。そしてその蒸気に汚染や化学物質がないかとなったのだが、蒸気を製造するボイラーには清管剤を入れる。清管剤はボイラー内壁へのスケール生成や腐食を防止するが、これは化学物質で問題はないか、ということになった。食品用清管剤を使用すること。

接触する可能性のあるものは、水、個体(殺鼠剤、殺虫剤など)、粘体(クリーム、機械から漏れ出すオイル、グリースなど)、液体(殺虫剤、殺鼠剤、洗浄剤、殺菌剤など)、粉体(添加物、破れかけた袋内のもの、殺虫殺鼠剤など)、気体(ガス、蒸気、エアコンからの空気、空調機内の問題など)、タンパク質汚染、酸化した脂肪、スプレー(殺虫、クリーナー、塗料など)、天井からの落下物、コンテナやミキサーの内側、ミキシングするパドルやリボン、コンベア、フィルムの内側、ナイフ、まな板など注意する。

3-3.マネジメント:確実に運営出来る仕組み作り

3-3-1.不安な製品の手直しや隔離を安全にする

1)再投入、あるいはリワーク

[2]製造ラインからいったん出して、別の管理下に置き、そのあと再び元の製造ラインに入れることを再投入、あるいはリワークと呼ぶ。

牛肉をカットし、トレイパックをする製造では、下処理の工程で、スジと脂肪をトリミングする。このとき、低価格の国産牛肉の脂肪は脂屋さんに持って行ってもらう。スジは廃棄物になったり、スープ用として卸すのもある。

しかし、和牛の脂肪は高品質なので、ステーキにしたパックにステーキオイルとして角切りにして入れたり、ハンバーグの材料にしたり、和牛の脂肪としても結構高く売れる。

ということは、下処理室からは、廃棄物と再投入する和牛脂が一緒に出て来ることになる。

低価格の牛脂を和牛脂に入れるとクレームになる。反対になると損する。