2)サンドイッチの重量不足
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さて、和牛脂をいったんラインから外して、再投入する場合、その管理を間違えると、危害やクレームになる危険がある。

作業室の横に放っておけば、温度が上がり、細菌増殖や異物混入。冷蔵庫に入れても日付が経ってしまえば鮮度劣化。バットに入れただけで蓋やフィルムをしないとやはり異物混入。

廃棄物になる分も、作業室やゴミ庫において時間が経ってしまったら、細菌増殖や虫の発生につながってしまう。

2)サンドイッチの重量不足

サンドイッチの製造で、組み立てた後パッケージし、計量と金属探知機を一緒に通したとき、重量不足ではねられた分をいったんラインから外しておき、後からパッケージを外してフィーリング(具)を加え、再生する。再投入だ。

この時、はねた後、再生作業をするまで、温度の高い作業室に置いておくと、時間が経てば鮮度劣化になる。

再生作業では、フィルムを破く、開ける、具を持って来て追加する、再び挟んで、フィルムパックする、という複雑な作業になる。異物混入と細菌汚染の危険が大きい。

この作業はライン作業に従事している人全部が出来るとは限らないので、特別な作業として、力量がある人がやらないと、心配だ。再生作業は誰が出来るか、分かっていなければならない。

3)シチューの再投入

洋風弁当を毎日製造しているが、毎日の注文数が常に違うので、長時間煮込んで作るシチューは、予想より多めに作り、余った分は冷蔵庫に入れて翌日用に保管している。翌日は冷蔵庫に入れて置いた前日製造のシチューを、新たに作るシチューに入れて製造している。

ある日、最初に前日のシチューを釜に入れないで造ってしまい、出来てから気が付き、慌てて最後に投入した。

そして芽胞菌の食中毒事故になった。

前日のシチューに菌が入り、急いで造ったので加熱が足りなかったのだ。

再投入するシチューは、平バットの上2センチ程度余裕を持たせて入れる。早く冷えるのと、翌 日再投入するときには早く加熱されるからだ。しかしこの時は指示されたパートが分からず、深鍋に入れたのだ。

保管用の入れ物が違ったのと、翌日の作業手順の逆転が重なったのだ。大きな固まりになった再投入シチューは、中心部までしっかり加熱できず、たぶん菌の増殖にもっとも適したぬるい温度のままになったのだろう。

4)再投入はやってはならないというのではない

くさやの製造などは、昔から大事に持っているつけ込み液に、百年以上も再投入をしている。

最終の組み立て調理に入るとき、数が急に変わったり、他の製品に回してしまったり、下処理量や種類を間違えた場合、慌てて新たに下処理する場合も再投入に近い。イレギュラーな下処理なので、洗浄不足で芽胞菌が入る危険がある。下処理部門が全員帰ってしまい、なれない加熱室担当者がやることもあるだろう。

重要なことは、

  1. 製造で、再投入があるか、確認する。
  2. その再投入は、安全確保できているか、確認する。
  3. 再投入をしたりしなかったりしている場合、記録をする。

ということである。

そのために、製造工程フローチャートを書き、その中に再投入がないか見てみる。

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