3-3-2.回収になった場合の手順と訓練
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現場に行き、再投入がないか確認してみる。

各製造工程スタッフに再投入問題の説明をし、無いかどうか検討する。

というチェックをしてみることだ。

3-3-2.回収になった場合の手順と訓練

ISO22000の「回収」では、回収手順を決めなければならないと同時に、効果を確かめるため「回収訓練」をする必要がある。訓練をすると、手順の不備が発見されたり、回収のスピードアップや効果をよくすることにもつながる。

回収はそのままトレーサビリティにもつながる。

回収した製品の問題が自社工場内でのものならそれを是正することになるが、原材料由来ならば、その原材料あるいはロットまで特定し、再発防止につなげなければならない。トレーサビリティが重要なのはこの点だ。

3-3-3.消費者に製品内容を分かりやすく伝える

製品の原材料の「トレーサビリティ」をホームページなどで公開している企業が増えている。消費者としては常に見るものではないが、このような情報公開があることで安心出来る。同じように、製品の安全性、消費期限、食べ方、さらにはレシピなど、分かりやすく伝えることは、販売促進にも結びつく。

3-3-4.いたずら、サボタージュ、破壊、テロなどから施設を保護する

中国製餃子事件のように、犯罪まで出て来る時代だ。

スーパーマーケットで商品に針を混入する凶悪ないたずらもかなりある。

工場においても、鍵をかけるという基本的なことだけでなく、深夜入場する工場では指紋認証や、監視カメラの設置といった安全対策が必要になる。

3-3-5.トレーサビリティ(造った履歴が判るように)の構築

1)どこまでトレースするか

「トレーサビリティ」は事故があるなしにかかわらず、製品の原材料がわかるようにすることだ。安全性の構築だ。そしていざというときに役立つ。

では、トレーサビリティはどこまで追跡できるようにしておけばいいのか。

ISO22000では「直接の供給者から納入される材料及び最終製品の最初の配送経路を明確にできること」とある。要するに仕入れたサプライヤーと、販売したところがわかればいいと言うことになる。それなら、そのサプライヤーが仕入れた先はいいのか?となってしまう。しかし、この背景には、そのサプライヤーもトレーサビリティを構築していれば、その先がわかるし、その先、さらにその先も構築していれば、どこまでも芋づる式に追跡できる、という面がある。

究極は、すべての食品企業がトレーサビリティを構築すれば、どこまでも追跡できると言うこと になる。
これに近いことができないことはない。

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