1)教育訓練の方法
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教育スケジュール

  1. 1項目に対し1週間の教育期間を与え、その間でミーティング、個別指導、内容掲示を行う。
    但し、1項目の内容が多い場合は数週に渡り教育を実施する。
  2. 最初にレベルAの①の項目を実施する。
  3. 2週目にレベルAの②の項目を実施する。
    以下順次進めていき、レベルAが終わったらレベルBに入る。
  4. レベルCの最後の項目まで行ったら、レベルAの最初の項目に戻る。これを繰り返す。
  5. 検証は教育の進捗状況に合わせ、当該項目実施週の翌週以降に行う。
    例では翌週に実施するスケジュールとしている。
  6. 定期監査は教育の進み具合とは別に、時期を決め定期的に実施する。
    例では、3ヶ月に1回(年4回)の実施を想定。
  教育 検証 定期監査 教育内容
レベルA レベルB レベルC レベルA レベルB レベルC
1回目             白衣について
2回目           身だしなみについて
3回目           長靴の履き替えについて
4回目           ローラーがけについて
5回目           手洗いについて
6回目           エアーダスターの通り方について
7回目           前掛けの着用について
8回目           工場の出入りについて
9回目           作業態度について
10回目           健康管理について
11回目           原料について
12回目           製造工程について
13回目           製造過程の衛生的取扱いについて
14回目           製品の保管及び出荷について
15回目         製品説明について
16回目           施設設備の衛生管理について
17回目           機械器具の取扱いについて
18回目           防虫、防鼠について
19回目           細菌の発生、増殖について
20回目           使用水の取扱いについて
21回目           排水、廃棄物の取扱いについて
22回目           薬品の取扱いについて
23回目           検査器具の取扱いについて
24回目           施設の構造について
25回目           HACCPについて
26回目           白衣について
27回目           身だしなみについて
28回目           長靴の履き替えについて
29回目           ローラーがけについて
30回目         手洗いについて
         

 

a)少しずつ、繰り返し、定期的に教育する

効果的な方法のひとつとして「毎日の1分間ミーティング」がある。テーマをひとつに絞って、それだけについての教育をする。テーマというのは例えば「粘着ローラーの使い方」で、なぜ使うのかについて「髪の毛は普通の人で一日平均70本ほど抜けます、埃も着替えるときに作業衣に付着します、これを放っておくと製品に混入してしまいますから、粘着ローラーを丁寧に使って取り除く訳です」という事を教えたうえで、実際に髪の毛が混入クレームの事例を見せる。ただ粘着ローラーを使えというのではなく、なぜ使うのかを教えるわけだ。そんなことはわかっているだろうと思うかもしれないが、はっきりと教えることによって、強制的に使わせられるという感覚から「大切なことなんだ」という実感になり、使い方が違ってくるものなのである。

次の日には「粘着ローラーのかけ方」について1分間教える。更に次の日は「手の傷やあかぎれ

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