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d)「ぎりぎり合格は合格ではない」を検知するKPI

CCPや拭き取り検査の数値が、合格範囲には入っているが以前と比べて次第に悪くなっている、いつもは良い数値なのにたまに不合格ギリギリになることがある、といった状態を放置しておくと、不良が察知出来なくて事故になることがあり、これで回収になっている事例がかなりある。

このKPIは、対象となる数値を決め、その数値をパソコン内でグラフ化し、傾向を見る方法があ る。例えば拭き取り検査の結果を毎月グラフ化し、安全管理ミーティングで出して問題が無いか監視する。

ある工場では工場内各所の温度と湿度記録を、現場の用紙に数値ではなくグラフ用紙にプロットしている。一ヶ月するともうグラフが出来ているので、これを見るだけで問題を検知出来る。ある作業室の湿度が(範囲内だが)高くなっているのが発見され、調べてみたら空調の具合が悪く故障寸前だった。

状態が良かったり悪かったりと不安定なのを検知するには、一ヶ月に例えば3回以上あるレベルを超えたら自動的に告知する、といった形にする。

e)改善リストのKPI

冷蔵庫の取っ手の交換、床や幅木の修理、特定個所の結露対策、サニタリー手順のシステム変更、等々、工場内の改善箇所はどこでもある程度はある。古い工場では数も多い。これらは、緊急性のあるものと、そうでもないもの、費用がかかるので予算が取れるまで保留しているもの等に分けら