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ているバットに変な色のものが混じっていたから除去した、といったものである。こういったものはそのまま見過ごしていればクレームになる可能性のあるものだ。製品になって出荷され、消費者のところまで行ってしまえば、その消費者がクレームにしないで「もうあの商品は買わない」となってしまう可能性もある。こういったのを「潜在的クレーム」と呼び「実際のクレームの数の数十倍はある」とも言われているものである。

もう一つ、他の工場における事例で、自分の工場でもありそうなことをリストする。例えば、国民生活センターの食品クレーム事例を見たり、食中毒記録を見たり、インターネットの検索エンジンや新聞記事データベースなどで「食品」と「回収」「原因」といったキーワードで調べ、同じ業種や似たような製造システムでの事例をピックアップして、危害リストに入れる。

最後に、こういった調査をしていくと、自分の工場のどこかで起きそうな危害が考えられて来るので、それもリストに入れる。

こういった、ごく現実的な危害を集めた後、それらの危害が自分の工場の製造工程のどこで出現する可能性があるかを分析していく。方法は、工場の製造工程をフローチャートに書き出し、それぞれの工程に危害を入れていくのである。例えば、フライ製品の製造の工程概略は、

受け入れ → 保管 → 下処理 → 衣付け → フライ → 冷却 → パッケージ → 金属探知機検査 → CCP → 箱詰め → 保管、出荷

ということになるが、これを書き出し、危害リストから、各工程で今まで出た、あるいは出る可能性のある危害を、各工程の中にいれていくのである。危害には、特定の工程で出るものもあるが、いくつもの工程で考えられるものも多い。「調理加熱不足」は加熱工程で出て来るものだが、毛髪混入は、作業者がいて、製品が露出されている工程全てに当てはまる。このクレームは多分3ヶ所の工程のどこかから出たものだろう、という場合には、その3ヶ所の工程に全部入れてしまっても良い。このようにしてリストを作っていくと、製造工程の、どこで、どのような危害が多いのか、どこが、どのように危険なのかがわかってくる。

同じ方法で、今度は文書内ではなく、工場に入り、リストアップされた危害がどこで出て来そうか、現場でチェックしてみる。そうすると、文書ではわからなかった現場での危険がさらに浮き出てくる。

5)緊急連絡網の構築

何らかの事故があった場合、連絡が遅くなればなるほど被害やダメージは大きくなる。素早く連絡が取れて市場や出荷へのストップが出来れば、公表する必要が無いので、社内の処理だけで済ませることが出来る。

今までは、現場→部門長→工場長→トップといったルートを通り、この後半の過程で取引先への連絡と行動に移ることになる。しかし、トップへの連絡に時間がかかるとダメージを拡大する原因になる。

このようなことが無いようにする最速の緊急連絡方法は既に有り、どこでもすぐに出来る。メールの一斉送信だ。

問題の性質によって、グループをあらかじめ作っておく。工場長、担当部長へのグループ送信リスト。次にこれらに加えてトップも含めたもの。さらに、自社関連のグループ全工場。さらに製品毎の販売先緊急連絡先も加えたもの。といった、レベルに応じた一斉送信リストに送信する。問題が出たらグループリストに送信するだけで、一瞬で全ての関係者に連絡することが出来る。関係者は電話に出れないことも多いが、携帯へのメールなら会議中でも見ることが出来る。

6)目的を絞り込んだパトロール

交通安全週間のように、「集中して監視をする方法」は効果がある。工場内の安全対策でも、集中した監視が必要だ。「集中」ということは、監視内容を絞り込む方法だ。毎月パトロールを行う場合、今月は「食品機械の壁際の隅や下」を集中して見て、カビ、汚れ、虫の発生源が無いかを見る。翌