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月は動線とゾーニングが正しいか、改善を考えなくて良いかを見る。次は清掃洗浄が効果的か、次は異物混入を目視監視出来る所の従事者意識と照度が700ルクス程度あって見やすいか、といったように、絞り込む。

7)効果的な異物混入対策:最終段階の目視発見

人に対する危害ではないが、多発すると工場の危機になるのが、毛髪、虫、ゴミ、埃、といったものである。これらの対策はHACCP本体ではなく、一般的衛生管理で管理するものだが、抜本的対策はない。やさしく言えば、「5S」を徹底して、皆で気をつけよう、ということに集約される。とは言っても、何とか良い方法、アイデアはないものかと方策を探し続けているのが人情だろう。そんな中で、「最終段階での目視を徹底する方法」はかなりの効果を上げている。

ある量販店で販売する精肉のパッケージをしている工場では最終段階での目視確認で効果を上げている。ここは1年かけて一般的衛生管理の構築を行なってきたところで、牛、豚、鶏の精肉をトレイに詰め、最終的にラップフィルムをかける直前の段階での目視確認を重点的に行なっている。毎日数千パックを製造するわけで、オートラッパーを通すのだが、ラッパーに投入する担当者が目視しているのだ。具体的な方法は、異物を発見したら、その状況、日付、商品、どのような状態でその異物が入っていたのか、記録し、発見した異物そのものをオートラッパーの横に置いてあるノートにセロテープで貼り付けてレポートすることで「異物発見ノート」になる。

8)判定可能な目標

消費者の安全安心の為に、という表現だけで意味は分かるが、ではその組織ではそれをどう成し遂げるのか、その判定がわかる為の目安は何なのかがなければ、単なる掛け声になってしまうかもしれない。

数値や実施した事項の具体的に判定出来る目標が必要になる。

  1. CCPの数値と、逸脱した場合の修正と是正処置の実施。
  2. OPRPの数値と、逸脱した場合の修正と是正処置の実施。
  3. 規定した頻度の細菌検査の実施。
  4. 規定した頻度の教育、パトロール、監査の実施。
  5. 主食材サプライヤーへの定期的訪問と、新サプライヤー選定のための訪問の実施。

9)HACCP会計

製造環境がきれいになっているかを検証するにはふき取り検査があるが、全く別の視点からの検証方法もある。

「HACCP会計」というのがその一つで、衛生管理に使用した資材がちゃんと使われているかを、資材の使用量から監視検証する方法だ。

これは欧米ではよくやられているようだが、日本でこの方法をやっている所も、この考え方が発表されたのも、私の知る限り知らない。もしかするとこの原稿が初めてかもしれない。

方法は単純で、殺菌剤、洗浄剤、粘着ローラー、ふき取り検査資材など、衛生管理で使用消費するものの量を毎月調べるだけだ。

標準的な方法で、作業者数が同じなら、毎月の使用量はほぼ同じになる。マニュアルが変わったり、資材や従事者数の変動を計算に入れて監視する。使用量が徐々に減っていたら、たとえば粘着ローラーの使用量が減ると、ちゃんとかけていないということになる。経費が減ったと、喜んでいる場合では無く、毛髪混入の危険が増大している警笛になる。