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設計は中島大祥堂側が積極的に行った。オーナー側が使いやすいよう、スタッフが知恵を絞って考え、設計だけでなく工事中も常に現場に入って参加した。この意欲がゼネコン側に伝わったのだろう。

新工場周囲は住宅地なので、臭いを拡散しないように密閉工事にした。

新工場の製造は2010年4月中旬から始めている。

投資効果:顧客拡大で成長路線

元々10年前に丹波に新工場を作ったが

この工場建設後10年で売り上げが2.6倍になり、現在10億ほど。この丹波工場の成長を、本社新工場でも行いたく、高度化も含めて計画した。

本社工場は稼働してまだ半年だが、顧客の反応が良く、丹波工場と合わせて、20億7千万円の売り上げになり、次の55期には22億9千万、56期は26億、58期には30億にしたい。(従業員は150日休みで)

クレームの減少:従来からの積み上げで減少してきた

異物混入クレームは少なくなっている。これは新工場になったからというのではなく、従来からの仕事の仕方、積み上げで、時間をかけて良くなってきたということ。

以前、営業クレームは別としていたが、これも結局は顧客からのクレームだということで、2年前から「品質、安全会議」に入れて検討している。異物混入と営業の両方のクレームは、共に扱い、減少している。

従業員のモチベーション上がっている

丹波工場と同じように、新工場建設というのは、従業員のモチベーションが上がっているのが共通している。

丹波工場の時は全く違う土地で苦労したが、本社工場はほとんど同じ従業員のまま。環境が悪かった旧工場が新工場になってから、顧客からの評価が上がり、従業員のモラルアップにも繋がった。

営業開発:新アイテムの発注につなげる

まだ半年なので数値としてはあまり出ていないが、顧客からの反応がいいということは、新アイテムの発注は徐々にもらえると期待している。

生産効率と品質:今後収益率の改善が課題

品質面ではあがったが、生産効率は多少減少した面もある。

生産効率の低下としては、例えば段ボールの扱いで梱包を外すのに人手がかかるようになった(1.5 人が2人になった)、といった面。

こういった人件費増への対応がこれからの課題。

つまり、品質は上がったが、それを売価へ転嫁するのは難しいため、今後収益率の改善が課題。

新工場はコストアップになっているが、工場内には十分な空間を用意してあり、空いている所の活用で工場生産率を増大させ、収益アップをして行きたい。

ゾーニングでの効率:11ヶ月で13ヶ月分の製造

間仕切り(ゾーニング)での生産効率ダウンは一部あっても、全体では11ヶ月で13ヶ月分の製造が出来るようになった。

陽圧管理:虫と汚染の侵入を防ぐ

施設は陽圧管理になっていて、清潔ゾーンが最高圧、準清潔ゾーンがその次の圧力、汚染ゾーン(一般ゾーン)がもっとも圧力が低くなっていて、清潔度が高い方に汚染が行かないようになっている。そして施設そのものが外気に対して陽圧になっているので、虫と汚染の侵入を防ぐ構造になっている。

廃水処理:新方式で費用的にも大きなメリット

工場の道路側に大型の円柱型の塔が建って居るが、これが新しいタイプのグラニュー菌を使った