カリフォルニアの監査システム
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に並んでいる。隔壁は、小型の工場ならば無くても良いが、フライラインだけは油煙による汚染を防ぐために隔壁で仕切ったほうが良い。大型の施設なら、全てを仕切ったほうが良い。

ゾーニングは準清潔ゾーンにする場合と、ここから清潔ゾーンにするのと、2通りの考え方が出来る。クックチルの場合なら、ここまで準清潔ゾーンにして、このあとの冷却の工程を清潔ゾーンにする考え方になることもあるし、調理後に放冷してからサンテナーにするのならば、ここから清潔ゾーンにする考え方も出来る。冷却、インナーパッケージ室は清潔ゾーンになる。

一方、生食の調理組み立てラインは、下処理室から引き出した原材料を組み立て始めるところから清潔ゾーンになる。加熱調理工程が無いので、低温に維持したまま調理組み立てからパッケージまでを慎重に行なう必要があるからである。

インナーパックが終わったものを箱詰め又はセットする作業室は準清潔ゾーンになり、製品保管庫から一般ゾーンになる。

病院給食などで食器が下膳されてくる場合、出庫側に近い専用のゲートから入れ、洗浄後、セット室に直接入れられる場所に倉庫を置く。真空パック用のフィルムやトレイの場合も同じ考え方になる。

このモデルでは、製造から出庫までの動線は一直線になっているが、土地や道路の状況に応じて、L字型、U字型の動線でも出来る。

カリフォルニアの監査システム

カリフォルニアの食品衛生監視は厳しい。年2回、予告せずにいきなり店に行き、監査を行う。監査項目は74あり、百点満点で、70点以下は、営業停止。

そして、監査結果シートと、点数を、店の店頭に表示する、というものだ。74項目は、いくつかのパートに別れていて「食品の温度」「食品」「有害小動物・害虫」「水・消毒」「下水」「営業・運営」「什器、機器、棚、キャビネット」「嘘の無い表示」「壁・天井・床」「配管設備・機器排水」「便器・トイレ・更衣室」「廃物・店・雑役」といった分類で、ソフト面、ハード面、管理面と、立体的なものになっている。

いくつかの項目と違反例をあげてみると、(監査番号.内容:違反例)

6.食品の安全が脅かされ緊急を要する状態:何種類もの違う種類の貝類が雑然と一緒の容器に入っている。生の食品と調理済み食品と、食品間汚染が起きるような作業をしている。

21.間違った方法で行われた解凍違反:冷凍食品が溜め水で解凍されている。

22.許可されていない作業場での調理リスク:水洗い用シンクに飛沫除けが無い。

23.食品の保存:食品が床から6インチ(15センチ)以上の高さに保管されていない。

25.食品が顧客から保護されていない:スニーズガード(咳やくしゃみなどから食品を保護するカバー)なしで食品がディスプレイ、提供されている。

31.什器、機器、棚、キャビネットなどの不衛生:残渣が付いたり汚れがこびり付いている。

32.食品が接触する什器類の表面の消毒:食品が触れる表面を、4時間毎に洗浄消毒がされてい

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