4-5.拡販をきっかけにHACCPを構築し3年で売り上げ約10倍に:はら屋(出雲市)
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ということは、気軽に食べられる、安く提供する、という方針。

「日本でいちばん大切にしたい会社」坂本光司単行本、で紹介されている。

4-5.拡販をきっかけにHACCPを構築し3年で売り上げ約10倍に:はら屋(出雲市)

取材者:原利明社長(左の方)中央:全菓連早川委員長、右:全菓連千田理事

高度化までのステップ→全国チェーンへの販売が目標

元々和菓子をやっていて、鯛焼きも作っていたが、ブームは去り、3割減の状態になっていた。(「およげ鯛焼き君」ブームは20年前なので、これとは無関係)

8年前、現社長の娘さんの結婚式にお祝いとして紅白の鯛焼きを作って見た。これがあるスーパーマーケットに伝わり、製造して売ってみたら飛ぶように売れ、急成長した。

このため生産力が不足した。製品の安全性能(菌数)検査でも、旧工場では全く不合格。

全国チェーンの大手スーパーなどへの販売が目標だと、HACCPの取得と安全対策が不可欠ということと、旧工場の生産力では全くダメだと判断した。

そこで、銀行に相談したら、不思議なことにすぐに「貸す」と言ってくれ、中古工場を購入して改修し、新工場をスタートさせた。

そして、全菓連の認定を受けた。

HACCPを行うと従業員に宣言したら、最初の反応は「面倒くさい!」。しかし導入後、現在は

「当たり前」

現在の製品検査結果は完全に合格レベル。

製品について顧客からは高評価を貰っている。

製造機械の開発

大量に製品を作るためには自動化が不可欠。元々現社長は機械工学と金属学が専門なので、機械の設計は得意。

鯛焼きを焼く型は、アルミで、これは酸化せず、汚れが焼き付かないので、理想的。自動焼き機で一回焼いたあと、洗浄せずに、圧搾空気で吹き落とせばきれいになる。

菓子から惣菜へ→小型の鯛焼きを惣菜として製品に

お菓子の鯛焼きから、小型の鯛焼きを惣菜として製品にしようと発想し、開発をした。

鍋に入れて、数十分間崩れない衣とあんの開発が大変だった。

「今までになかった食品」なので、この製品を製造するための保健所の許可をどうすれば良いか判らなかったが、保健所に相談したら「それなら、惣菜の製造免許を取ればいい」と言うことになって、工場内に惣菜製造室を作った。

惣菜としての鯛焼きの具は、タマネギ、ほうれん草、カボチャなど。

製品が完成したら、スーパーマーケットでの販売がすぐに決また。スーパーの窓口が「菓子」から「惣菜」に拡大してきた。

コンビニの話も出て来て「おでんに入れる鯛焼き」「ホットスナック」で企画中。お好み焼きの鯛焼きで、メーカーとソースの開発もした。

投資効果→3年で10倍の売り上げに

新工場建設後、3年で10倍の売り上げになったので、投資効果は十分にあった。この間従業員数は2倍弱なので、効果は更に加わっている。

しかし、これだけの成長だと、資金繰りが大変。

従業員教育

プロジェクターを使って、DVD映写、決まり、ルール、HACCP手順、コーデックス等をビジ

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